史上最大の霊長類、絶滅の原因は「偏食」
ソース:新華社作者: 2024-01-22 17:00
ギガントピテクス?ブラッキーの生活風景の再現図。(資料寫真、南昌=新華社配信)
中國やオーストラリア、米國の研究チームが11日、地球史上最大の霊長類とされるギガントピテクス?ブラッキーの絶滅の原因を解明したと発表した。採食行動や食べ物の好みへの執著が環境の変化への適応を困難にし、29萬5千~21萬5千年前に絶滅期を迎えたことが分かった。研究成果は國際的な學術誌ネイチャーに掲載された。
直立時の身長3メートル、體重最大300キロのギガントピテクスは広西チワン族自治區をはじめとする中國南部のカルスト地域に広く生息していたとされるが、これまでに2千本近い歯と不完全な下顎4點しか見つかっていない。當時、同じ地域に生息していた他の霊長類が環境の変化に適応して繁栄したのに対し、最も強そうな巨大な類人猿はなぜ絶滅の運命をたどったのだろうか。
10日、ギガントピテクス?ブラッキーの巨大な下顎の化石。(南昌=新華社記者/溫競華)
古生物學界の長年の謎は、中國科學院の古脊椎動物?古人類研究所のチームが主導する國際的な學際研究によって解き明かされた。研究チームは2015年から同自治區で數百カ所の洞窟を調査。うちギガントピテクスの化石が見つかった11カ所、時代がやや新しく化石が見つからなかった地點11カ所の計22カ所を選んでサンプルを採取した。
研究チームは6種類の異なる年代測定技術を用いて、化石を含む堆積物や化石本體から157の結果データを取得。花粉や胞子、哺乳動物相の歯の安定同位體、微量元素、微細摩耗痕など8分野の分析結果を組み合わせ、ギガントピテクスが絶滅した経緯を突き止めた。
ギガントピテクス?ブラッキーの生存環境や採食行動、絶滅過程の時系列を示した図。(資料寫真、南昌=新華社配信)
果実や花などの食べ物を好むギガントピテクスは約230萬~70萬年前、資源が豊富な森林で大いに繁栄した。気候の変動に伴って森林が徐々に後退し、草地が大幅に増えたことで生存環境が激変。好みの食べ物が次第に減っていき、栄養価の低い食べ物に依存せざるを得なくなった。並行して體型がどんどん大きくなり、體重も増加。採食範囲が狹まったことで個體群が縮小していき、29萬5千~21萬5千年前に絶滅した。
一方、ギガントピテクスの近縁種のオランウータンは體が小さくなって機敏になり、採食行動や生息地も変えたことで、現在の繁栄につながったという。
編集:董麗娜
文章と寫真の著作権は元の作者に屬します。侵害があれば、削除に連絡してください。